中合ミサイルタワー
スケール:1/300
福島の中合(なかごう)デパートの旧店舗です。福島市大町の現在のホテルサンキョウの場所にありました。近江の呉服商が福島で店を開いたのが始まりで、土蔵造りの呉服店を1938年に2階建(一部3階)の店舗に改築し百貨店化、この時点ですでに食堂や屋上遊園地があり、象の形のすべり台や鳥小屋などがあったようです。
1956年に既存店舗の南側、平和通りに面した場所に4階建ての増築を行って売り場を拡張、屋上に飛行塔や豆汽車などの大型遊具が設置されています。1960年には北側の既存の2階建て店舗部分を7階建て(店舗5階+展望室2階)に改築し、県内初のエスカレーターを設置した本格的なデパート店舗となりました。遊園地は改築部の屋上に移設され、それまで飛行機形をしていた飛行塔のゴンドラが円盤形に変更され、豆汽車はモノレールにグレードアップ、中央には観覧車も設置されました。遊園地移設後、南側の4階建て初期増築部の屋上は庭園として整備されたようで、当時のチラシには動物園の檻や木が描かれています。1965年頃(1963年との情報もあり)にこの部分も5階が増築されて庭園は消滅し、動物園の檻はその増築部の屋上に移設されています。
1961年には北側の展望室の更に上に「ミサイルタワー」という展望台兼ネオン塔が設置されています。この秀逸なデザインのタワーは施工を担当した竹中工務店が広島の天満屋に設置したロケット形のネオン塔(これは展望台がない)を展望台付きにデザインし直して売り込んで実現したそうです。タワー本体の高さは20m、頂部の地上高50mというスペックで建設当時福島市内最高峰でした。てっぺんから足下までネオン管で完全電飾され夜は派手に光っていたそうです。
1973年に駅前の新店舗に移転し、この店舗は「大町パルク」という別館扱いの廉売店として1984年まで営業し、閉店後タワーもろとも解体されてしまいました。
模型はタワーが完成した1961年の姿で再現しています。南側の初期増築部に庭園がある時代ですが、この部分の存在期間が短く写真などが手に入らなかったので庭園部は完全に想像で製作しています。
これを作るのは2度目で、前回製作時は資料が少なく正確なものが作れなかったので北半分をプラ板で製作しました。今回は『百貨店の戦後史:全国老舗デパートの黄金時代 』(夫馬信一著・国書刊行会)に資料提供や写真の年代特定などの取材協力をさせていただき、建物全体を作れるだけの資料が揃ったので1/300スケールのフルサイズで設計しました。建築物はプラ板のスクラッチでしか作成していなかったのですが今回は完全に3D出力で作成しました。
建物本体と窓ガラス、タワーの展望室は光造型機による出力、精度が必要な屋上遊園地とタワー胴体はアクリルインクジェットによる出力です。
提供資料の内、掲載スペースの関係で載せられなかったものがありますのでこちらで紹介します。
■チラシ
1962年4月 とびきり市
春のバーゲンセールのチラシです。両面刷りで裏には催事場でのナショナルの展示会の告知があります。
1962年12月 クリスマス(掲載)
これは片面刷りで裏は真っ白、紙質もかなりいいもので60年経った今でも艶を保っています。
こういうチラシって子供の頃はうれしかった記憶があります。なかなか裏が無地のものってなくて、絵を描けるし腰が強い紙で紙飛行機にしてもよく飛ぶんです。わざと裏を無地にして子供へのクリスマスプレゼントとしての意味合いもあったのかもしれません。粋な計らいです。
まだ南側が4階建てだった時期の貴重なイラストです。タワー側の正面を走っていた路面電車にも中合の広告板が付いていましたが、それに使われたイラストは南側が5階建てになってからの新しいものが使われていました。■新聞広告
お中元セール
ミサイルタワーの写真がバーンとでています。
■包装紙
左のものは1970年代後半頃のもので、買ってきたものもそのまま入った状態で出てきました。右のものは「NAKAGO」の英字表記のロゴデザインが新しくなってからのもので、閉店まで使われたものです。古いものに比べて色合いが若干明るめになっています。
中に入っていたのは額縁を鴨居に引っかけるときにずれを防止する座布団でした。値札が付いたままになっています。大判の包装紙です。タンスの引き出しの底に敷いてありました。これも「O」の上に横棒があるローマ字表記の70年代後半のもので、新社紋になっているので駅前移転後のものになります。香典返しに使う弔事用のものもあり、そちらは青の濃淡になっていますがものの性質上現存するものはほとんど無いと思われます。前掲のチラシにある旧社紋のものが出てこないか現在捜索中です。
デザインは某○越の包装紙によく似ていますが、「NAKAGO」の6文字を変形して散りばめたもので三○のパクリではないのだそうです。
切り出して並べてみたら確かにそんな感じです。「G」だけはかなり無理があるw
珍品の「大町パルク」の包装紙です。無漂白の紙でコストダウン。
このフォントが「平凡パンチ」に似てるような気がして、子供の頃はエロいイメージがありましたw
■贈答品カード (2023/05/04追加)
プレゼントやお中元など、化粧箱で包装してもらうとこのカードが箱の中に入っていました。
7cmx5cmほどの大きさで、包装紙の柄をバックに百合の花をあしらったもので80年代初め頃のものです。
■化粧箱(旧店舗時代!) 2023/05/10追加
遂に出てきました! 60年代、ミサイルタワーの旧店舗の頃の化粧箱です。創業以来の旧社紋が入っています。
側面に名前を書く欄があります。仕立てものの場合はここに依頼主の名前が入るのでしょう。
底面にも黄色い文字でロゴがあります。
大きい方の箱には封緘シールも残っています。箱の方はOの上に横棒がありませんが、シールは横棒ありになっています。































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